車検整備代が高い ブレーキ修理の整備代金を安く上げるには?

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車検整備代が高い ブレーキ修理の整備代金を安く上げるには?

車検整備代が高すぎる

 車検整備の見積もりを取って、予想外の整備代金に驚かれる方は多くいらっしゃいます。貴方もそのお一人でしょうか?車の仕組みは、いろいろと説明されても、なかなか理解するのが難しいもの。今回私は、ブレーキの修理に関して、皆様と同じ状況に遭遇し、自分なりに解決しました。誰にでも真似のできる方法ではありませんが、ブレーキの整備に関して、どなたにでもわかるようにご説明したいと思います。どうしてこんなに高いのか?もっと安くする方法はないのか?やらないとどうなるのか?自分ではできないのか?ご理解いただき、最善の判断が下せるよう、情報を提供いたします。

ブレーキの構造

 あなたの右足が、ブレーキを踏みます。ペダルを踏んだ力が、走っている車を制動する力になります。走っている車のエネルギーは、とても大きなものですから、制動するには、走る力に対応するべく、「力を倍増する」必要があります。ペダルを踏んだ力は、「踏む力倍増装置」と「専用の油」を介して、ブレーキ操作のエネルギーとなります。

 タイヤの内側には、「ディスク」が装着されていて、ディスクがタイヤの回転と同じように回転しています。ブレーキとは、このディスクを、二枚の「ブレーキパッド」で挟み込み、タイヤの回転を止める事を言います。

ブレーキパット

 ディスクを挟み込んで、タイヤの回転を止める、スマホより一回り小さい、石鹸を薄くしたような感じのパッドです。硬い石のような感触です。タイヤ一つに二枚のブレーキパッドが必要です。全部のタイヤがディスクブレーキの車なら、車全体で8枚のブレーキパッドが必要です。

 ブレーキパットは、運転の仕方や車の種類により、減り方がかなり違います。我が家のカルディナは、5万キロ程度の走行で交換していますが、これはかなり穏やかな運転をしている場合で、運転の仕方によっては、3万キロも持たずに減ってしまう場合もあります。殆どの車は、その構造上、フロントが減りやすいのが特徴です。

 価格もピンからキリまであります。カルディナの場合、トヨタの純正品は、フロント用四枚が一セットとして販売され、価格は10,044円です。(04465-20540
) 自動車の部品は、アフターマーケットで様々な種類の物が販売されています。この状況が、私たちを混乱させる要因の一つとなっています。

 今回私は、ヤフオクでアフターマーケットの商品を購入しましたが、商品代金は1,078円、送料が880円、合計1,958円で、新品のブレーキパット4枚が手に入りました。一つの部品の価格にしても、ディーラーが使用する純正品と、社外品とでは、これだけの差があります。
 車検に対する考え方、姿勢によって、このブレーキパッドを取り換えるか取り換えないかが変わります。ディーラーは、今後2年間、安心して乗ることができるようにするのが車検だとの考えから、少々パッドの残量が多くても、車検時にこの部品を取り換える事が多いのです。一方で、民間の格安車検などでは、ユーザー立ち会いの下で、今後どの位乗るのか、今取り換えることのメリットとデメリットを説明し、納得された場合には交換します。部品代だけではなく、工賃もかかりますので、純正品を使って全てのタイヤのパットを取り替えるなら、車検代とは別に、5万も6万もかかってしまう場合もあるでしょう。

シリンダー

 ブレーキパットは、油圧の強い力でディスクを挟みます。「強く挟む力」は、「シリンダー」という部品が、ブレーキパットの横を押すことで、ブレーキパットに伝わります。シリンダーは、大きさで言うならお猪口を少し大きくした位の部品です。

 シリンダーは、あなたがブレーキを踏む毎に、ディスクパッドを押し込んでいます。キャリパーという部品の中に入っていますが、シリンダーの一部は外に出ており、腐食や異物の混入を防ぐために、専用の「ブーツ」という名前のゴム部品で守られています。

 このシリンダーが、突然動かなくなってしまうことがあります。雨水などが混入し、経年と共にシリンダー、或いは、はめ込んであるキャリパーという部品の中が錆びて固着し、押し込んだままで動かなくなります。この錆の粘着力、接着力は、想像を絶するものがありますが、完全に防ぐことはできません。

 今回、私の症状も、このシリンダーがさび付いて動かなくなってしまったために発生したものでした。具体的には、シリンダーがブレーキのパットを押し込んだ状態で固着してしまうので、ブレーキが効いたままになります。ブレーキが引きずっている感じがわかればいいのですが、わからない場合もあります。症状として、タイヤに黒いパッドのカスが付着するようになった、走行後のホイールが触れなくなるほど熱くなる、ジャッキアップしてタイヤを回しても回らない、燃費が極端に悪くなる、などがあります。

 

キャリパー

 キャリパーは、シリンダーが収納されている、鋳物の部品です。二本のピンを介して取り付けされていますが、ディスクの上を微妙にスライドし、いつでも二枚のパッドが、均等の力でディスクを挟み込めるようにする役割があります。キャリパーには、シリンダーを包み込むメスの部分があります。シリンダー同様、この内側が錆びてしまい、シリンダーが動かなくなってしまうことがあります。その際には、取り外してのオーバーホールが必要となります。あまりに錆が酷い場合や、強い力が加わって変形したり、欠けてしまったりしている場合には、新しい物と取り換えることになります。そうなると、修理費用はとても高額になってしまいます。純正部品のキャリパー「のみ」は新品では部品が出ず、キャリパーが必要な場合は、キャリパー、シリンダー、マウンティング、その他の細かい構成部品が全てセットで販売されており、価格は36,936円です。(47750-20640)

ブレーキオイル ブレーキフルード

 ブレーキを踏んだ力は、ブレーキフルードという専用のオイルが入った管を介して、最終的に、タイヤの奥にあるディスクに伝わります。劣化すると性能が劣るばかりか、内部部品を損傷させてしまう事もあるので、定期的な点検、交換が必要です。私は一リッター689円の汎用品を使っていますが、トヨタ純正の物は同量で、2,079円します。

ブレーキマスターシリンダー

 私たちが踏んだブレーキの力を、油圧に変え、増幅し、各タイヤのブレーキシステムへと伝える重要な部品、装置です。ボンネットを開けると、黄色いブレーキフルードが入ったタンクが見えますが、ブレーキマスターシリンダーとは、この下の鋳物でできた部品の事を言います。中には樹脂製のシリンダーが入っており、踏む力を増幅し、油圧に変える働きをしています。

 長く放置していた車両や、車歴が長いのにもかかわらず、殆どブレーキフルードを交換しなかった車両などは、中のシリンダーやピストンに不具合が生じることがあり、そうなると、ブレーキが正常に作動しなくなりますので、インナーキットと呼ばれる部品を使ってのオーバーホールか、新品に取替となります。

 部品は鋳物製の本体を残したとして、インナーキットだけでも5,832円します。(04493-2B040) オーバーホールの作業はかなり面倒で、工賃もそれなりにかかる上、ブレーキマスターシリンダーを取り換えると、付随してブレーキオイルを取替なければならず、エア抜きの作業も必須となります。

私はこうして乗り切った

 まずはじめにお断りしておきます。ブレーキの分解整備は、専門の知識を持った整備士が所属している、認証された整備工場でしか整備をすることができません。一方で、自分の所有する車は自分で責任を持って整備しましょう、との大原則、考え方から、自分が所有する車を、使用者が自ら整備する事は認められています。

 私は整備の資格を持っていませんが、今回、費用面の問題もあり、自分でブレーキの整備を行うことにしました。

 症状としては、ブレーキが効きっぱなしになり、走行時にホイールが触れない位に熱くなっていました。フロントの左側のみが熱く、右側は何ともありませんでした。

 調べると、おそらくブレーキを構成する部品の、キャリパーの中にあるシリンダーが固着しているため、ブレーキから足を離しても戻らずに、効きっぱなしになっているようでした。

 10万キロを超えたので、ブレーキパッドも取替時期に来ており、このブレーキパッドと、キャリパーをオーバーホールするための部品を自分で手配し、キャリパーのオーバーホールとブレーキパッドの取替を自分で行うことにしました。

 動画を見たり、知り合いの整備士の友人に、しつこい位、確認してから作業をはじめたのですが、キャリパーのオーバーホール、具体的には、錆びて動かなくなったピストンを、キャリパーから抜くという作業が、私にとってはとても困難なものでした。

 普通に言われている、いわゆる教え、定石では、固着したピストンは、キャリパーの穴からエアを送れば抜けるはずでしたが、固着が酷く、2時間以上、エアを送っても、ピストンが抜けません。結局、エアでは抜けずに、ランクルのシャックルのピンを抜く為に買った工具を使い、関連する部品を自分で加工して作り、何とかピストンを抜くことができました。作業開始から3時間かかってしまいました。

好きじゃないとできない、プロはやはりプロ 商売

 私は、今まで自分でいろいろな整備をしてきたので、皆様に比べれば状況に恵まれています。家が私道の袋小路の一番奥にありますので、晴れていれば気兼ねなく整備ができます。コンプレッサーを使っても、問題ありません。

 これだけ状況が整っていても、やはり足回りの整備を自分で行うのはリスクが伴うことを今回実感しました。今回はブレーキを押すためのシリンダーが、キャリパーと固着して動かなかった訳ですが、このように自動車の整備では、予想外の状況が発生することがあります。プロなら、豊富な経験と知識、そして専用の工具を使って乗り切る事ができても、素人に毛が生えた程度の者には、かなり難しく、厳しい整備でした。

 今回、社外の部品を使い、自分で整備をすることで、恐らく4-5万は得をしていると思うのですが、割に合っているかと言えば微妙です。プライベートの時間を使っての部品探しや発注からはじまり、整備自体には貴重な休日を丸一日費やした上、翌日にはもの凄い筋肉痛になり、整備から3日が経過した今でも、それが続いています。

 本当に整備が好きな人だけに、この方法はお勧めしたいと思います。

ご提案

 例えば、ディーラーでの車検の見積もりが高いと思うのなら、民間の整備工場で見積もりを取ってみるのも一つの方法です。GooPitなどで探すと、自宅近くの整備工場を探すことができますし、口コミも掲載されています。また、あまり馴染みがないかもしれませんが、オートバックスやイエローハットなどの量販店でも、かなり親切丁寧に見積もり、説明してくれます。費用も高くはありません。このような、脱ディーラーの車検も、検討されてみてはいかがでしょうか?
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 あまりに状況が酷い場合は、どこに頼んでも見積もりが高くなってしまうものです。それは、仕方ありません。そのような状況なら、一度、自分の車の価格を調べてみるのも一つの方法です。例えば、車検で30万の見積もりが出ているとしましょう。仮に、あなたの車が今、20万円で売れるとします。30万円出して車検を取るのを辞めるなら、50万円の頭金が出来ることになります。そのお金があるなら、もしかすると新車が買えるかもしれません。新車なら保証が付いていますし、車検は3年後ですし、税金も安いかもしれません。長い目で見ればお得かもしれません。

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