20万キロのセルシオが売れる理由は? 実はおススメ日本の高級セダン

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20万キロのセルシオが売れる理由 日本の高級セダンが人気

 中古車の展示場に20万キロの車が販売されていたら、あなたはどのように思うでしょうか?普通の車であれば、まず、見向きもされないことでしょう。人気車で振り向いてもらえたとしても、「なんだよこれ、20万キロも走ってるぅ~」と言われておしまいです。そもそも20万キロの車は、中古車の店頭にあまり並ぶことはありません。それはどうしてなのか?などと野暮な事をお伺いする必要はございませんよね?日本の中古車のマーケットでは、車の走行距離はいいところ15万キロ程度ではないでしょうか?うちの義父の車も17万キロで壊れましたし、メーターが一回転(10万キロ走行していることの例え)は聞きますが、二回転はあまり聞いたことがありませんよね。私が過去にディーラー系のお店で中古車販売をしていた時にも、できれば走行距離は少ないに越したことはありませんでした。販売していた車は2-4万キロ程度の車が多く、7万キロや8万キロとなると、お店には並べずに業者さんに販売(業販といいます)していました。私たち業者がこのように思っているのですから、自然と中古車市場の相場観もそのようになって行ってしまうのですね。

別格装備の車

 セルシオは設計段階から国産車とは全く違った思想で開発されています。当時北米を中心とする市場では、高級車といえば欧州車の一人勝ちでした。日本車は、安くて丈夫で長持ちで壊れない、という日本らしさはあったものの、高級なイメージとは程遠かったのです。そこで高級車の市場に立ち向かうべく、北米への販売を念頭に設計開発されたのがセルシオでした。当時のトヨタ自動車豊田英二会長の「欧米の高級車に対抗できる車を作ろう」という掛け声の元、6年もに長きに渡る研究開発が行われました。最高速度、燃費、空力抵抗、乗り心地、車両の安定性、という技術的な側面と、欧州車が持ち合わせる「パフォーマンス全て」を満たすことを目標に、研究開発は進められたのです。研究は苦難の連続だったと言います。数々の苦難を乗り超えて、8年の開発の末に誕生したのがセルシオの輸出モデルである「LS400」でした。日本車離れした乗り心地のよさ、静粛さ、そして日本が得意とする内装の豪華さは評判を呼び、たちまち北米での人気車となり、日本へ逆輸入されたりもしましたが、1989年、ついに、日本でのセルシオがデビューすることになったのです。私はこの頃、セルシオを扱っていたディーラーの本社に勤務していましたが、セルシオが販売されるやいなや注文が殺到し、生産が追い付かず、1年以上の納車待ちという状況が発生したほどです。元プロ野球選手の古田敦也さんが、当時のフラッグシップ色であったグリーンのセルシオを買ったと、社内で話題になったりしていたものでした。このようにセルシオは、トヨタにとって「技術の追求の結晶」とも言える、歴史的にもとても意味のある車種と言えます。当然価格も高く、最高級のモデルでは1,000万円を超えるものもあり、私の記憶が間違いなければ、このセルシオが登場したことで、当時の手書きの新車注文書の金額欄が、7桁から8桁になったと記憶しています。

とにかく静か

 設計段階からのこだわりが、この車、セルシオの大きなセールスポイントとなっています。セルシオに座ってエンジンをかけ、車を動かすと、今までに感じたことのない別次元の走りを体感することができます。エンジン設計の段階から求められてきた静粛性は、当然のことながら異次元のレベルで実現。エアサスの適度に硬いサスペンションは、大きな車体をものともせずに加速させていきます。所有することの満足感、走ることの喜び、車に求められるステータス、プレステージ、サクセス、パフォーマンスを、高い領域で完璧に実現させたセルシオが誕生したのです。

普通の人じゃ乗れないレベル

 新車価格が当時は相当でしたので、当時の新車を普通の給与生活者が手に入れることは、まず不可能でした。セルシオは芸能人や会社社長、事業に成功している自営業者などが経費を使って乗る車、ステータス感あふれる車のイメージを定着させて行ったのです。当時はこのように「普通の人じゃ乗れないレベル」のステータスに君臨していたセルシオでしたが、日本の車の大きな特徴として、年数が経過すると価値が下がってしまう、という、嬉しいような悲しいような特徴があることで、今現在は価格がこなれて来ました。1千万円では手が届かなかったセルシオも、このように日本の若者でも買えるレベルにまで価格が落ち着いてきたことで、人気となっています。セルシオ自体の価値はそのままに、経年と走行距離過多の恩恵を受けて価格が大幅に下落、手ごろな価格であの高級セダン「セルシオ」に乗れることから、若者を中心とした隠れたブームが起こっています。

セルシオ所有のあれこれ

 セルシオは見た通りの大きな車ですが、その外見とは裏腹に、思った以上に小回りが効く、乗りやすい車です。4.2リッターのエンジンは、トヨタの開発魂が注入されており、ハイパワーと低燃費とを兼ね備えた、完成度の高いエンジンとなっています。初心者が手に入れるデメリットを敢えて上げるとするなら、維持費の高さでしょうか。各部品は高く、車検時の重量税も50,400円と割高になります。排気量が4,200ccありますので、自動車税も一年で76,500円と高額です。新車登録から13年経過すると、87,900円となります。同時に重量税も上がりますので、車検時にはかなりの負担となります。

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